ノート
スライド ショー
アウトライン
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水分バランスを考え直す
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"(体に入る水分)-(..."
  • (体に入る水分)-(体から出る水分)=1日の体重増加量


  •   体に入る水分=1)+2)+3)=1550mL
  •   1)食事中の水分 1200mL
  •   2)代謝水      350mL
  •   3)飲み水      考えやすいように0mL


  •   体から出る水分=1)+2)+3)=950mL
  •   1)大便       150mL
  •   2)呼吸、汗     800mL
  •   3)尿         考えやすいように0mL
  •   1550mL− 950mL=600mL


  •       尿がでなければ、水を1滴も飲まないでも1日
  •       600ml=600gの体重増加、すなわち水分の
  •       貯留が起きる!
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余った水分の行方
  • 血管の中と外で考える。
  • 血管の中
  • 血管の中に移動した水分は静脈系を介して
  • 心臓に溜まります。
  • 心臓に溜まった水分は
  • 1)血圧上昇
  • 2)心不全
  • の原因になります。
  • 血管の外
  • 浮腫、胸水、腹水
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心不全の1例
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どうすればいいのか?
  • 血液透析には
  • 余分な水分の除去
  • 身体の老廃物の除去
  • という2つの目的があります。


  • とりあえず今回は余分な水分の除去について
  • のみ考えましょう。
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CTR(心胸郭比)とは?
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ドライウェイトの設定
  • まずは、身体所見の評価。
    体重変化のほか、顔や手、足のむくみ、低血圧症状の有無をチェック。


  • 通常、CTRを測定し、50ないし55%以下を
  • 目標。測定の際の注意点を念頭に。
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CTRの盲点


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"ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド"
  • ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド
  • (hANP : human atrial natriuretic peptide)
  • hANP値別のDW適否評価例
  • hANP≧100(pg/mL)→DWを下げる
  • 25<hANP<100(pg/mL)→DW設定目標域[40<hANP<60(pg/mL)ではより適正域である確率が高い(95.8%)]
  • hANP≦25(pg/mL)→DWを上げる
  • (重症心不全症例は除外)


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"クリットラインモニター"
  • クリットラインモニター1
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"クリットラインモニター"
  • クリットラインモニター2
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下大静脈径の測定
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"ドライウェイトの許容範囲"
  • ドライウェイトの許容範囲
  •     中1日→ドライ ウエイトの3%
  •   中2日→ドライ ウエイトの5%
  • たとえば、ドライウェイト50Kgの人なら
  • 中1日なら1.5Kg、中2日なら2.5kgの
  • 体重増加が理想です。
  • 尿がでなければ、水を1滴も飲まないでも1日
  • 600ml=600gの体重増加、すなわち水分の
  • 貯留が起きるわけですから、許容範囲に入る
  • ためには1500−600=900mLの水分摂取が
  • 可能ということになります。



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"1)透析前高血圧、透析中の血圧..."

  • 1)透析前高血圧、透析中の血圧低下


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2)いきつくところは心不全!
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水分管理上の悩みあれこれ・1
  • 喉が渇いてお水を


  • ついつい飲んでしまう。
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その原因は?・1
  • 1)不適切なドライウエイト
  • 身体の水分を心不全を恐れるあまりに透析で
  • 過剰に抜いてしまうためです。
  • 低すぎるドライウエイトは血液をドロドロにして
  • シャント閉塞や脳梗塞の原因になります。


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その原因は?・2
  • 2)水分は食べ物にも含まれています。
  • ★水分量に気をつけたい食品−1.
  •   (食品)     (重量)(水分量)(水分割合)
     <目安量>     <g> <ml>  <%>
    きゅうり<小1本>   60   58    97   
    白菜<中1枚>     90   86    96
    トマト<大1個>   200  191   96 
    大根<中3cm大>  100   93   93
    いちご<5粒>    100   90   90
    もも<中1個>    200  178   89
    豆腐<1/4丁>   100   88   88
    ヨーグルト        90  79.2   88
    みかん<中1個>   150  131   87
    こんにゃく<1/2丁>100   87   87
    りんご<1個>     200  172   86
    全粥<軽く2杯>    300  250   83
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★水分量に気をつけたい食品−2
  • (食品)          (重量)(水分量)(水分割合)
     <目安量>         <g> <ml>  <%>
  •    じゃが芋<中1個>  100   80   80
    卵<Sサイズ2個>  100   75   75
    うどん<1玉>     250  180   72
    プリン<1個>     100   71   71
    魚<切身1切れ>    80   55   69
    ご飯<軽く2杯>    220  140   64
    ソフトクリーム<1個> 180  113   63
    もち<小2個>      70   30   43
    すいか<小1切れ>  200  180  90


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その原因は?3
  • 3)塩分の取りすぎ
  • 人の血液の塩分濃度は0.9%になるように
  • 調節されています。0.9%は1Lに9gの食塩が
  • 溶けている状態です。透析患者さんが推奨され
  • ている1日塩分摂取量は5−7gです。これより
  • 1g食塩が多いと約111mLの水分が身体には
  • 必要になりますから喉が渇くわけです。
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その原因は?・4
  • 4)透析不足
  • 透析が不足する=1回の透析で毒素が十分抜
  •             けていない。
  • こういう状態では身体は毒素を出そうとする
  • ハズです。腎臓が悪いとそれができない。
  • せめて身体の毒素を薄めようと。
  • それで水分を身体は要求します。


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その原因は?・5
  • 5)糖尿病の人は
  • 先ほどの毒素の話ですが、過剰な糖は毒祖
  • みたいなものです。
  • この毒素を薄めるために身体は水分を要求
  • するのです。
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水分管理上の悩みあれこれ・2
  • 水分を抜くと透析中に
  • 血圧が下がります。
  • 足はつるし、透析後は
  • 身体がつらくて・・・・
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"血圧低下の原因"
  • 血圧低下の原因


  • 1.適切なドライウエイトなのか?


  •      ドライウエイトというのは終生変わらない体重ではありません。
  •   例えば、食欲が強くて水分による体重増加ではなく肥満した場合には、ドライウエイトを上げる必要があります。逆に、食欲不振で痩せてきた場合には、ドライウエイトを下げる必要があるのです。患者さんの中には、しばしば食欲がないのに、これ以上体重を下げられたら、ますます食欲がなくなるといって、体重を下げることに抵抗を示すことがあります。この考え方は誤りで、痩せてきた場合には余分な体内の水分を除去するために、ドライウエイトの設定を下げなければなりません。
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2.時間当たりの除水量は?
  •   除水速度とPR速度とのバランスが最もうまくいく除水速度は300〜600mL/時間と言われています。これを超えると血圧は下降します。
  •    透析間の体重増加が多いほど時間除水量は
  •  増加し、血圧が低下します。
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"体重増加が多いと何故血圧..."
  • 体重増加が多いと何故血圧が下がるのか?


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"体重増加が多いと透析中に血圧..."
  • 体重増加が多いと透析中に血圧が下がるのは


  • 除水速度とPR速度とのバランスが最もうまくいく
  • 除水速度は300〜600mL/時間と言われて
  • います。これを超えると血圧は下降します。


  • ドライウェイトが50Kgの人なら
  • 中1日の許容体重増加は3%の1.5Kg
  • 食事や返血の分で600mL水分を足しても
  • 4時間の透析では2.1÷4=0.5で
  • 時間除水は500mLです。


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3.降圧剤の影響
  • 1)薬剤の透析性
  • 2)作用時間
  •  (1)長時間作動型
  •  (2)短時間作動型
  • 3)服用の仕方


  • ※最も大切なことは透析患者さんの降圧は
  • 除水が1番有効的なことが多いのです。
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4.糖尿病の影響
  • 1)自律神経の異常
  •  通常血圧が下がると、動脈は収縮し心臓は早く打ち(脈拍の増加)血圧を上昇させようとしますが・・・・・・・・
  • 2)食事の影響
  •  糖尿病患者さんに特有ではありませんが・・・
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"何も飲んでいないのに体重..."
  • 何も飲んでいないのに体重が増えてしまう透析患者です。どうしてでしょうか?
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"(体に入る水分)-(..."
  • (体に入る水分)-(体から出る水分)=1日の体重増加量


  •   体に入る水分=1)+2)+3)=1550mL
  •   1)食事中の水分 1200mL
  •   2)代謝水      350mL
  •   3)飲み水      考えやすいように0mL


  •   体から出る水分=1)+2)+3)=950mL
  •   1)大便       150mL
  •   2)呼吸、汗     800mL
  •   3)尿         考えやすいように0mL
  •   1550mL− 950mL=600mL


  •       尿がでなければ、水を1滴も飲まないでも1日
  •       600ml=600gの体重増加、すなわち水分の
  •       貯留が起きる!
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"氷1個 20〜30mL"
  • 氷1個 20〜30mL
  • うがい1回 10mL
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★水分量に気をつけたい食品−1.
  •   (食品)     (重量)(水分量)(水分割合)
     <目安量>     <g> <ml>  <%>
    きゅうり<小1本>   60   58    97   
    白菜<中1枚>     90   86    96
    トマト<大1個>   200  191   96 
    大根<中3cm大>  100   93   93
    いちご<5粒>    100   90   90
    もも<中1個>    200  178   89
    豆腐<1/4丁>   100   88   88
    ヨーグルト        90  79.2   88
    みかん<中1個>   150  131   87
    こんにゃく<1/2丁>100   87   87
    りんご<1個>     200  172   86
    全粥<軽く2杯>    300  250   83
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★水分量に気をつけたい食品−2
  • (食品)          (重量)(水分量)(水分割合)
     <目安量>         <g> <ml>  <%>
  •    じゃが芋<中1個>  100   80   80
    卵<Sサイズ2個>  100   75   75
    うどん<1玉>     250  180   72
    プリン<1個>     100   71   71
    魚<切身1切れ>    80   55   69
    ご飯<軽く2杯>    220  140   64
    ソフトクリーム<1個> 180  113   63
    もち<小2個>      70   30   43
    すいか<小1切れ>  200  180  90


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イーカム(ECUM)」って何ですか。
  •   「イーカム(ECUM<extracorporeal ultrafiltration methodの略>)」とは、ダイアライザーに透析液を流さず、また補充液(置換液)の投与も行わず、限外濾過の原理を応用して血液から除水のみを行う方法です。血液透析中に除水を行うのに比べ、尿素やクレアチニン等の除去(拡散によって)に伴う血漿浸透圧の低下がないため、比較的大量の除水を行っても、血圧低下や下肢の筋肉痙攣等の不均衡症候群の出現することが少ない方法です。 従って、「イーカム(ECUM)」は、体重増加の多い透析患者に対し、通常の透析で除去 尚、統計的には時間あたり除水量は、ドライウェイト(適正体重)の「1〜1.2%」のグループにおいて長期生命維持の確立が一番高いという結果が出ています。